簡潔な文面の中に人柄をにじませる

ビジネス文書を送るとき、送付状を添付することが基本です。応募書類にも、ビジネスマナーとして添え状は欠かせません。文面から応募者の人柄が伝わるように、自己PRを兼ねた自己紹介をすると良いでしょう。

書式には特に決まりはありませんが、職務経歴書と同様に、A4サイズの用紙にパソコンで作成するのが一般的です。応募書類に興味を持ってもらうための挨拶状として、簡潔にまとめることが大切です。

主な構成は次の通りです:

前付

日付

宛て先(会社名、部署名、担当者名が分かれば記載)

応募者名(住所、氏名)

前文

表題(例:応募書類の送付について、一目で分かるようにタイトルをつける)

頭語・前文(例:拝啓 貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます)

主文

応募の経緯(募集告知をどこで知ったかなど)や希望職種を明示

志望理由に絡めて自己紹介・自己PR(履歴書・職務経歴書に触れていない自分の人間性を浮き彫りにした一言を加える)

履歴書・職務経歴書を同封したので面談の機会をいただきたい旨を添える

末文

末文・結語(例:よろしくご検討いただきますようお願い申し上げます 敬具)

ちょっとしたポイントですが、名前を自署すると良いでしょう。フリガナを印字しておき、署名を入れることで無機質なパソコン作成のシートに息吹が感じられ、読み手の心をつかみます。また、読みにくい名前の場合、フリガナで解消できます。これも心配りの一つです。

応募条件で落とされないために

企業によって募集要件は異なります。それらをすべて満たすことは難しいかもしれませんが、応募しなければ新しいフィールドは見つかりません。

応募者が殺到する企業では、年齢、資格、職歴などの条件を満たさないものをチェックして振り落とします。これらのマイナス要因を払拭するのが添え状の役割でもあります。

年齢制限を越えている場合 平均年齢の若い企業などでは、若い世代と波長の合うエピソードを入れたり、培ってきたスキルを上手く活用しましょう。

募集職種が未経験の場合 直接業務と関係なくても、培ってきたスキルや独自の視点などで職務能力不足をカバーしましょう。

転職回数が多い場合 同じ職種での転職ならステップアップを目指して転職してきたことを、職種にバラツキがある場合は旺盛なチャレンジ精神をアピールしましょう。逃げの転職をイメージさせず、転職を繰り返さない決意もそれとなく示しましょう。

ブランクが長い場合 自身の療養や家族の介護が理由なら、再就職に何ら支障がないことを明示しましょう。また、職に就くためにどのように過ごしたのか、職務上のスキルが鈍っていないこともしっかり示しましょう。