特記事項は特別な能力だけではありません
特記事項と聞くと、何か特別に他人より優れたものを考える方が多いですが、「私のもう一つの顔」くらいに気楽に捉えると、自分では当たり前だと思っていることが職場の活性化に大きく貢献することがあります。
自分には取り柄がないと悩んでいた若い女性が、苦し紛れに記述した内容に人事担当者が心を打たれた話があります。情報化時代では多くの事務処理をコンピュータがこなしますが、その女性は「私には特別な才能はありませんが、コンピュータとコンピュータの間で人と人を結びつける潤滑油になれます」と書きました。
その女性を採用したことで、職場から重苦しい雰囲気が消え、笑い声が絶えず、職場全体が一丸となって事務効率が高まったということです。
同様に、ボランティア活動など地域社会に貢献していることも、人間性をアピールする絶好の材料です。どのように地域と関わり、どのような効果を上げているのか、自分の取り組みを背景とともに記述しましょう。
直接ビジネスには関係なくても、ビジネス環境の改善に寄与することで効率を上げることができます。自分ではアピールポイントと思っていないことが、高い評価につながることもあります。
応募に際して悩む問題こそ特記事項で
応募者が悩む問題の一つに、募集条件に該当しない場合の扱いがあります。応募要件に合わない部分がある場合、添え状に応募する理由や意欲を記述するのは当然のことですが、この欄を利用して重複してもしっかりアピールしましょう。
例えば、30歳までの年齢制限に対して30歳後半で応募するのは難しいですが、2、3歳オーバーしているからといって諦めることはありません。本当にやり遂げたいことで自信があれば、どうやり遂げるかを説明し、チャンスを求めることが重要です。自社に必要な人材だと認識すれば、チャンスは与えられます。
キャリアを求める条件も同じです。募集業務が未経験でも、自分のキャリアと接点があったり、業務を遂行する視点に共通点があれば立派に通用します。自信を持って理由づけをアピールしましょう。
病気などで職歴にブランクがある場合も、記述すべきか悩むことがあると思いますが、簡単に説明を入れ、業務に差し支えないことを明記して、採用側の不安を払拭することが大切です。