“安心”が重要な人事担当者

「顧客重視の経営方針に共感しました」「社風が自分に合っている」「御社で○○を身につけたい」といった表面的な志望動機は、一瞥しただけで脇に追いやられてしまいます。

「言葉よりも行動が真実を語る」ウィリアム・シェイクスピア

どこに魅力を感じたのか、なぜ自分に社風が合っていると思うのか、具体的な説明がないと説得力に欠けます。また、企業はビジネススクールではありません。入社して何かを身につけたいという甘えた態度は、向上心をアピールしたつもりが、かえって逆効果になることもあります。

「準備がすべての成功の鍵です」アレキサンダー・グラハム・ベル

しっかり情報を集めた上で、自分のキャリアと照らし合わせ、どのような接点があるか、どこに自分のスキルを活かせる場があるかを見極めることが大切です。その上で、数ある企業の中で「なぜその企業でなければならないか」の理由づけを明確にしましょう。

ブレのない入社意欲は、人事担当者の心に届きます。安心させることが「一度会って話をしてみたい」という強い関心に結びつくのです。

「誠実さは最善の政策です」ベンジャミン・フランクリン

培ったスキルがどう活きるか

企業にとって中途採用の大きな目的は、新規事業の立ち上げや戦力増強です。いずれにしても、新卒採用のように可能性に期待するのではなく、即戦力を求めています。人材ニーズが明確なだけに、求められている人材像と自分との接点をエピソードを交えながら強くアピールしましょう。

転職には大きく分けて二つのタイプがあります。一つは現職(前職)と同業への転職、もう一つは異業種への転職です。

同業企業への転職の場合、特に気をつけなければならないのは、これまでの企業ではできないことが転職によって実現可能なことを明示する必要があります。同じような業種で同じような職種では、転職の意味が理解されません。問題を起こしての転職ではないかと疑問を持たれるかもしれません。新天地でどうステップアップしたいか、強い意欲も伝えることが重要です。

異業種からの転職では、応募企業への強い志望理由はもちろんのこと、なぜ事情に疎い異業種へあえて挑戦するのか、その理由をしっかり述べて、採用側の疑問を払拭する必要があります。

応募企業の魅力だけでは、人事担当者は納得しません。応募企業で自分がどう取り組めるかを相手に認識させることが大切です。自分が本当にやりたいことが見つかり、それに向けての準備を重ねてきたことや、自己啓発で培った能力を活かしたいなど、相手が求めている人材との接点をアピールしましょう。