OKR(目標と成果の管理)とは

OKRは、目指す姿を一文で示す目標と、その達成度を測る結果指標をセットで運用する方法です。OはObjective、わくわくする方向性の宣言。KRはKey Results、期末に達成できたかを数字で判定できる結果の指標です。四半期など短い期間で設定し、毎週の振り返りで軌道修正します。

KPI・KGIとの違い

KGIは期末の最終ゴールの数字。KPIは日々の運転計器のような数字。
OKRは、物語のある目標とその達成証拠を一枚にまとめる枠組みです。KGIやKPIと競合するのではなく、つなげて使うと意思決定が速くなります。

関連用語

アラインメント
部門や個人のOKRを会社の方向性とそろえること。優先順位がぶれにくくなります。
ノーススター指標
事業価値を最もよく表す一本の指標。OKRのKR選定の道しるべになります。
ストレッチ
少し背伸びをする水準。高すぎず低すぎずの塩梅が大切です。
チェックイン
定例の進捗確認。阻害要因の早期発見に役立ちます。
ガードレール
副作用を抑える見張り指標。品質や顧客満足などを並走させます。

求職者のための活用例(あなた個人の転職OKR)

Objective
✅自分の強みが活きる職場で、三か月以内に納得感のある内定を得る
Key Results
✅書類通過率を25パーセント以上に
✅一次面接通過率を40パーセント以上に
✅カジュアル面談を週2件継続
✅応募から内定までの平均日数を45日以内に
ガードレール
✅面談後の納得度メモを毎回作成、健康管理の睡眠時間を平均7時間確保

Initiativeの例
✅職務要約を応募先の用語に言い換える
✅代表実績を数字と期間で1件だけ深掘り
✅逆質問テンプレを10個用意
✅面接の録音メモから改善点を週1で更新

事例でイメージ(開発・CS・マーケ)

開発チーム
Objective
✅安定性とスピードを両立した継続リリース体制を築く
Key Results
✅デプロイ頻度を週5回に
✅重大障害0件
✅平均復旧時間を60分以内に

カスタマーサクセス
Objective
✅初月の価値実感を最大化して解約を減らす
Key Results
✅オンボーディング完了率85パーセント
✅初回応答時間を2時間以内に
✅1か月後の利用率を前期比150パーセントに

マーケティング
Objective
✅指名検索を伸ばし、認知から比較検討への移行を加速する
Key Results
✅指名検索数を前期比50パーセント増
✅指名流入の成約率を3パーセントに
✅資料ダウンロードを月500件に

よくあるつまずきと回避策

作業量を書いてしまう
記事10本ではなく、指名検索50パーセント増のように結果で書く。
指標が多すぎる
KRは最大5つ。迷ったら捨てます。
途中で目標を変えたくなる
中間レビューで根拠を持って調整。毎週の小さなゆらぎには動じない。
個人と組織がずれる
アラインメントの場で上位のOKRと接続。優先順位の衝突を早めに解消します。

面談での使い方(判断の精度を上げる質問)

このポジションのObjectiveは何ですか
最初の30・60・90日で期待されるKey Resultsはどこですか
KRの進捗は誰がどの頻度でチェックしますか
KPIやKGIとのつながり、ガードレールはどう設計されていますか
未達のときの学びの扱いと評価の考え方を教えてください

チェックリスト(あなたのOKR用)

✅Objectiveは短く記憶に残るか
✅KRは期末に達成か未達か判定できるか
✅ベースラインと目標値が明記されているか
✅KRとInitiativeの区別がついているか
✅週次のチェックイン予定がカレンダーに入っているか
✅ガードレール指標で副作用を抑えられているか

OKRは、やることではなく、目指す姿と結果を言葉にして前へ進むための仕組みです。

短いObjectiveと、判定できるKey Results。週次の小さな振り返り。これだけで、転職活動でも仕事でも、判断の速さと納得感が大きく変わります。自分のOKRを一枚にまとめ、今週の一歩に変えていきましょう。