リクルーター面談とは
リクルーター面談は、応募や本面接の前に行う「情報交換の場」です。採用担当者(リクルーター)と話し、仕事内容やチームの雰囲気、選考フロー、年収レンジなどを確認します。応募書類だけでは伝わらない強みを補足でき、企業側もあなたの希望や価値観を理解できます。
何をする時間なのか(目的とゴール)
目的は相互理解です。会社側は、あなたの経験・強み・希望条件を整理し、社内のポジションと照らし合わせます。あなたは、職務内容(ジョブディスクリプション)、評価の基準、働き方の前提(フルリモート、フレックス、副業可否)を知り、応募・選考に進むかを判断します。ゴールは、次の一歩(現場面談へ進む、募集Aではなく募集Bへ回る、今回は見送り)を気持ちよく決めることです。
全体の流れ(招待から次の一歩まで)
招待
ダイレクトスカウト、求人応募後、リファラル採用(社員紹介)などを起点に打診が届きます。
事前共有
職務経歴書、ポートフォリオ、質問リストを送付。会社からはジョブディスクリプション(JD)やプロダクト資料のリンクが届くことがあります。
当日
自己紹介、経歴のハイライト、希望条件の整理、会社説明、質疑応答、次のアクション確認。
後日
サマリー(話した要点)や候補ポジションの案内が届き、現場面談やスケジュール調整に進みます。
関連用語
JD(ジョブディスクリプション)
職務内容、必要スキル、期待成果をまとめた説明文です。
ATS(応募者管理システム)
応募〜面談の日程や評価メモを一元管理する仕組みです。
EVP(従業員価値提案)
その会社で働く魅力のパッケージ。成長機会、報酬、カルチャー、働き方など。
オンボーディング
入社後の立ち上がり支援。最初の90日で何を達成すべきかの計画を含みます。
タイムトゥハイヤー
募集開始から内定までの期間。選考のスピード感の目安です。
事前準備(短時間で効果が出るコツ)
一段の職務要約
職種、得意分野、主要スキル、代表実績、希望の働き方を三〜四行で。
実績の見える化
以前→行動→結果→学びの順で、一例を数字と期間つきで用意。例:問い合わせの平均対応時間を3か月で30%短縮。
キーワード合わせ
JDの用語(ツール名、指標名、ドメイン)をプロフィールに自然に含める。検索と評価がスムーズになります。
質問リスト
役割、評価、働き方、年収レンジ、選考フロー、オンボーディングの六つは定番です。
聞くとよい質問(判断精度が上がる)
役割と期待値
最初の90日で求める成果は何か。成功の定義はどこに置くか。
評価と成長
目標設定の方法、フィードバック頻度、昇給・昇格の基準。学習支援(書籍、資格、カンファレンス補助)の有無。
働き方
フルリモートやハイブリッドの運用、裁量労働やフレックスの有無、副業可否、在宅手当。
チーム体制
人数、職種構成、連携の仕方、使用ツール(チャット、タスク管理、ドキュメント)。
選考フローとスケジュール
面接回数、課題の有無、所要期間、次アクションの目安。
年収レンジの聞き方
可能なら現場に進む前にレンジと内訳(基本給、賞与、固定残業の有無、ストックオプション)を確認。曖昧なら、レンジ幅と評価タイミングだけでも把握します。
条件の話を安全に進める
レンジから確認し、細かい交渉は最終面接〜オファー面談で調整します。残業時間の実態、有休の取りやすさ、リロケーションサポート(転居支援)、育児・介護両立の制度など、生活に直結する項目は早めに確認すると安心です。
オンライン面談のコツ
音声とネットの事前チェック、カメラは目線の少し上
終了5分前に合意事項と次アクションを口頭で整理
スカウト・紹介経由の活かし方
ダイレクトスカウト
相手が注目した実績に一言で触れつつ希望領域を伝えると、現場アサインの検討が進みやすいです。
リファラル採用(社員紹介)
社内事情に詳しい人が橋渡し役。面談前に期待役割や評価観点を教わると精度が上がります。
よくある失敗と回避策
長い自己紹介で時間を使い切る
一例に絞り、数字と期間で要点化。続きは資料リンクで補足。
希望条件が曖昧
勤務地、働き方、年収レンジ、入社時期を先に言語化。
聞きにくい質問を最後まで残す
中盤で切り出す。例:働き方やレンジは合いそうでしょうか。
面談後に放置
24時間以内にお礼と要点メモ、次アクションの希望を送る。
メッセージのテンプレ(直前・直後)
前日確認
明日の面談、予定どおり参加します。必要資料があればお知らせください。
お礼と要点
本日はありがとうございました。要点は三点です。期待役割、働き方、選考フロー。可能であれば次の現場面談をお願いしたく、来週の候補は火曜19時、木曜19時、土曜午前です。
逆質問(深く知るための一言)
✅今のチームが直面している一番の壁は何か
✅成功している人の行動パターンは何か
✅最初の30・60・90日で理想の到達点はどこか
✅評価面談で重視する指標や例を具体的に知りたい
リクルーター面談は、選考の土台を整える大切な入口です。
短い自己紹介で強みを示し、役割・評価・働き方・レンジ・スケジュールを確かめ、次の一歩を気持ちよく決める。準備と質問の質を少し高めるだけで、面談の価値は大きく変わります。あなたの意思決定を助ける情報を丁寧に集め、納得感のある転職につなげていきましょう。