情報交換面談とは

情報交換面談は、企業の人や先輩社会人に仕事や業界の話を聞き、進路や転職のヒントを得るためのカジュアルな面談です。採用選考ではなく、学ぶための対話が目的です。会社説明会では分からないリアルな業務内容、チームの雰囲気、キャリアパスを知ることができ、業界研究・企業研究の精度が一気に上がります。

どんな相手と行うのか

相手は、志望企業の社員、同じ職種の先輩、OB・OG、転職エージェント、コミュニティで出会ったプロフェッショナルなどです。LinkedInやX、大学のキャリアセンター、勉強会やミートアップ経由でつながるケースが多く、オンライン(Zoom/Teams/Google Meet)での実施も一般的です。

目的と得られる価値

一番の価値は、仕事内容やスキルセット、評価の基準、1日のタイムスケジュール、チームのコミュニケーションなど現場の空気が分かることです。自分の強みがどの業務で活きるか、どのツールや資格が有利か、入社後のオンボーディングやキャリアパスの実例までイメージできるようになります。結果として、志望動機や自己PRが具体になり、面接の言葉に芯が通ります。

依頼のしかた(連絡の基本)

最初のメッセージは短く、目的と所要時間、聞きたいテーマを一言で伝えます。
例:「はじめまして。◯◯職の業務内容やキャリアについてお話を伺いたく、30分ほど情報交換の機会をいただけませんか。日程は◯/◯〜◯/◯の17〜20時の間で調整可能です。もしご都合が合えば、オンラインでも対面でも助かります。」
相手の時間を尊重し、候補日時を複数提示するとスムーズです。

事前準備(5分でも効果が出る)

公式サイトや採用ページ、直近のプレスリリース、プロダクトの機能、競合比較をざっと確認します。自分の自己紹介は30秒で「結論→背景→今知りたいこと」の順に用意しておくと会話が快適です。履歴書やポートフォリオがある場合は、リンクを事前共有しておくと具体的なフィードバックをもらいやすくなります。

話す内容(当日のアジェンダ)

やりたいこと・知りたいことを先に共有してから、次のような流れで質問します。
「その会社や部署のミッション」「主な業務内容と1日の流れ」「使っているツールやスキル」「評価のポイント」「チーム構成と他部署との連携」「未経験者が最初に任される仕事」「今後の業界動向」。最後に、自分はどんな準備をすると良いかを具体的に尋ねると、学習計画が立てやすくなります。

オンライン面談のコツ

静かな場所で、カメラは目線の高さ、マイクは口元から少し離して設定します。開始3分で目的とゴールを再確認し、終了5分前に「まとめ」と「次のアクション」を言葉にします。チャットで議事メモのリンク(GoogleドキュメントやNotion)を共有すると、認識のズレが減ります。

面談中のマナー

最初に録音やスクリーンショットの可否を確認し、NGならメモに切り替えます。話の途中で企業の機密や個人情報に触れないよう配慮し、公開情報かどうか迷う話題は深掘りしすぎないのが安全です。時間になったらきちんと締め、延長が必要なら次回の機会をお願いしましょう。

終わったあとのフォロー

24時間以内にお礼のメールを送り、学びと次にやることを一行で書きます。
例:「本日はありがとうございました。◯◯の勉強を◯月末までに進め、△△のイベントに参加してみます。半年後、また進捗をご報告させてください。」
感謝の一通があるだけで、その後のネットワーキングやリファラル(社員紹介)につながることがあります。

よくある質問と答え方

「選考には関係しますか?」
選考ではありませんが、印象は人づてに伝わることがあります。誠実さと準備は自分のためになります。
「何を持って行けばいいですか?」
基本はメモと自己紹介だけで十分。ポートフォリオや成果物があるならリンク共有が便利です。
「断られたらどうする?」
予定が合わないだけのことも多いです。別の方に依頼するか、候補日時を改めて提案しましょう。

転職活動での活かし方

面談で得た情報を、職務経歴書の職務要約や志望動機に反映します。たとえば「この職種では◯◯の指標が大切だと学んだので、前職の実績をその指標で言い換えた」と書くと、読み手に具体的です。面接の逆質問でも、業務内容やチームの連携について的確に尋ねられるようになります。

注意しておきたい点

報酬の話や内部情報の深掘りは避け、公開情報をベースに会話をします。求人の有無を強く迫るのではなく、まずは学ばせてもらう姿勢を大切にします。もし相手から求人やリファラルの話が出た場合は、選考フローや応募要件を確認し、正式なプロセスに乗せてもらいましょう。

情報交換面談は、将来の選択肢を広げるための小さな一歩です。採用選考ではなく、学ぶための対話だからこそ、自由に質問でき、自分の言葉で進路を考えられます。相手の時間を大切にし、準備とお礼を丁寧に重ねるだけで、良い出会いが次のチャンスへつながります。前向きに、あなたのペースで進めていきましょう。